皮膚・皮下のしこり・できものを取る

 皮膚や皮下にできたしこりやふくらみ、赤く腫れて盛り上がった状態などは「おでき」と表現されることが多いようです。痛みを全く伴わないものもあれば、急速に大きくなって痛むものもあります。

 代表的なのは粉瘤(ふんりゅう)です。比較的よく見られるものには次のようなものがあります。


粉瘤(ふんりゅう)

 粉瘤(ふんりゅう) は別名、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれています。
皮膚の良性腫瘍の1つで、「脂肪のかたまり」と言って来院される方も少なくありませんが、粉瘤は表皮でできた袋です。


 皮下にしこりを触れ、大きくなっては、中から白い物が出てきて一時的に小さくなる、を繰り返したりします。この白いものは、「あか(垢)」が濃縮されたものです。
普通の表皮からは「垢」が出て、そのまま外に落ちて行きますが、表皮が皮膚の中で袋を作っているため、この「垢」が皮膚の中にできた袋にたまっていきます。


 耳たぶ、 脇の下、お尻にできやすいのですが、頬、首などそれ以外の体のどこにでもできます。また、一つだけではなく多発する人もいます。
垢がたまっているだけの時は、痛みはありませんが、ここが炎症を起こすと、腫れて大きくなり、痛みが出てきます。


 粉瘤は一度できたら自然に消えることはありません。放おっておくと、ゆっくり少しずつ大きくなります。ずっと小さかったしこりが短期間で急に大きくなることもあります。
袋の中の白いものを絞り出して一時的に小さくなっても、時間とともにまた大きくなり、を繰り返します。 このため、粉瘤は、小さいうちに手術で袋ごと取り出すことが最良の方法です。袋を取り残すと再発します。


 「放っておいて大丈夫」とか、「悪性ではないので、様子を見ましょう」と言われて放置されていることも多いようですが、自然に治ることはなく、非常に稀ですが、巨大化して、癌になることもあります。小さいうちに手術した方が、大きくなって手術するよりも、傷跡は小さく、術後の痛みも少なく、手術代金も安くてすみます。


 このように、袋を取る手術は、なるべく小さい時で、炎症を起こしていない時(痛くもかゆくもない時)に行うのがベストなのですが、実際は、赤く腫れ上がり、強い痛みを感じて初めて取って欲しいと、手術を希望される方が多いようです。この場合、炎症の程度にもよりますが、患部を切開して中の膿を出して、抗生剤を内服し、一旦炎症を落ち着かせてから、後日(大体2-3週間後)、改めて袋を取り出す手術をすることになります。


脂肪腫

 皮下にできる腫瘍としては、粉瘤に次いで2番目に多いものです。名前の通り、「脂肪からできる腫瘍」です。良性腫瘍で、皮膚からは比較的広い範囲に、柔らかいしこりを触れます。


 脂肪腫は、体のどこにでもできますが、背中、肩こう骨付近に多い傾向があります。放置していると徐々に拡大し、大きいものでは長径20cmぐらいになることもあります。
治療は、皮膚を切開して、脂肪腫を取り除きます。


 脂肪からできる腫瘍で、悪性のものを脂肪肉腫(しぼうにくしゅ)と呼びます。脂肪腫と脂肪肉腫を正確に診断するには、切除して組織の検査を行います。         


皮膚線維腫

 皮膚の中の線維組織が増殖してできた腫瘍です。皮下にできる腫瘍ですが、皮膚表面にも色素沈着があり、表面も乾燥してカサカサしていることもあります。


 成人の手足のに数ミリから2センチ程度大きさの隆起として自覚されます。通常は一定の大きさまで発育するとそれ以上変化しないことが多いですが、時には5センチ以上の大きさになるものが膝の付近にできることがあります。


 色が濃く(黒っぽい)、急に大きくなるようなものは、皮膚癌との区別が必要になります。
治療は、患部を皮膚と一緒に外科的に切除して縫合します。


日光角化症(老人性イボ)

 皮膚の老化現象で「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」とも呼ばれます。日光に当たりやすい場所(顔、腕、肩、手の甲など)にできることが多く、最初は褐色の薄いシミから始まり、次第に拡大し、一部は隆起してきます。この隆起した部分を脂漏性角化症と呼びます。


 脂漏性角化症のほとんどは良性のものですが、中には皮膚癌である可能性もありますので、急に色が濃ゆくなった、大きくなった、出血しやすいなど、何か気になることがあれば、切除して組織検査を行った方が良いでしょう。