できもの・しこりの治療

 皮膚や皮下にできたしこりやできものにはいくつかの種類があります。

ここでは非常によく見かける皮膚・皮下のしこりやできものについて、当院での治療を例を上げて説明します。

 


粉瘤(ふんりゅう) または アテローマ

  皮下にできるしこりで受診される方が最も多いのが、この粉瘤(ふんりゅう)です。

「脂肪のかたまり」と言って来院される方も少なくありませんが、粉瘤の正体は、垢(あか)や分泌物が混じった、オカラのような臭い内容物を包んだ袋です(写真右)。

 

  最初は小さく触れていたものが、時間とともに次第に大きくなっていきますが、中には、長年小さかったものが短期間で急速に大きくなることもあります。

時々、袋の一部が破れて臭くて灰色の内容物が出てくることもあります。この場合は一旦しこりは小さくなりますが、しばらくするとまた大きく育ってきます。

粉瘤は細菌感染しやすく、赤く腫れたり痛んだりすることがあります(写真中)。

 

よくできる部位

  当院においては、くび、耳(耳たぶ、耳の後ろ)、おしり、せなか、顔(眉毛付近、ほっぺた、あご)、股、脇が発生部位のトップ7です。

 

治療と費用

  今現在炎症を起こしているか(痛い、赤い、腫れている、膿が出ているなど)どうかで治療方法が変わります。

 

(1)炎症を起こしている時

抗生物質の内服を行います。炎症がひどい場合は患部に局所麻酔を注射して、少しだけ表面を切って、中の膿を出します。

  保険診療で患部の大きさや処方薬にもよりますが、2,500~4,000円程度になります。

 

(2)炎症を起こしていない時

手術で粉瘤の袋を取り出します。1cm以下の小さいものであれば10-15分程度の手術です。それより大きいものであれば20-30分程度が目安です。

  保険診療で小さいものは10,000円程度、大きいもので16,000円程度が目安になります。

 

その他注意事項 

  炎症を起こしている粉瘤を抗生物質や切開して膿を出すなどして治療した後、根治させるため袋を取る手術を希望される場合は、炎症がおさまって1ヶ月から2ヶ月程度の期間を開けた時期に手術予約をしてください。

炎症が治りきっていない時は袋が周囲の組織にくっついてしまうため、取り残しが起こりやすくなっています。

 
 「放っておいて大丈夫」とか、「悪性ではないので、様子を見ましょう」と言われて放置されていることも多いようですが、自然に治ることはありません。小さいうちに手術した方が、大きくなって手術するよりも、傷跡は小さく、術後の痛みも少なく、手術代金も安くてすみます。


脂肪腫(しぼうしゅ)

 皮下にできる腫瘍としては、粉瘤に次いで2番目に多いものです。

名前の通り、「脂肪からできる腫瘍」です。広い範囲に柔らかいしこりを触れます。

 

よくできる部位
 体のどこにでもできますが、背中、肩こう骨付近(写真左)にできることが多い傾向があります。

長期放置しているとだんだん大きくなり、大きいもので20cmぐらいになることもあります。

 

治療と費用
  局所麻酔後、皮膚を切開して、脂肪腫を取り除きます(写真右)。

  保険診療となります。

  治療費の目安として1-2cmの小さいもので10,000円程度。大きいもので15,000円程度ですが、15cmを超えるものは当院での手術は行っておりません。


線維腫(せんいしゅ)

 皮膚の中の線維組織が増殖してできた腫瘍です。皮下にできる腫瘍ですが、皮膚表面にも褐色の色素沈着があり、表面も乾燥してカサカサしていることもあります。皮膚の下に小さいボタンをいれたような感じ、と表現されることがあります。

   痛みはないことの方が多いですが、押さえると軽い痛みを感じるものもあります。

   通常は一定の大きさまで発育するとそれ以上変化しないことが多いですが、時には5cm以上の大きさになることもあります。

 

よくできる部位

   成人の手足に数ミリから2cm程度の大きさの隆起として自覚できます。

治療と費用
  局所麻酔後、皮膚を切開して線維腫を取り除く手術を行いますが、自覚症状もなく長期的に変化もないものであれば必ずしも取り除く必要はありません。

  保険診療となり、自己負担額は小さいもので10,000円程度、2-3cmを超えるもので15,000円程度を目安にしてください。


軟性線維腫 (なんせいせんいしゅ)

   線維腫と名前が似ていますが別のものです。柔らかい皮膚にでき、形は半球状、あるいは茎があります。

肌色またはやや褐色で、表面にしわが多いのが特徴です。

ふとももやわきの下、お尻などに単発で1-3cmぐらいの、比較的大きな腫瘤(写真左)である場合と、首や胸、肩にかけて多数の0.5から1mm前後の小さなプツプツ(写真右)が見られる場合があります。

後者は別名、アクロコルドン、あるいはスキンタグとも呼ばれます。

 

よくできる部位

   首、わきの下、そけい部、ふともも

 

治療と費用

  ほとんどは良性ですが、衣類(襟や下着など)で擦れるなど生活に支障がある場合や、くび周りに多数のプツプツがあることで外観上醜悪である場合には摘除を行うといいでしょう。

  単発の比較的大きなものか、多数の小さなアクロコルドン(スキンタグ)かによって治療が変わります。

 

(1)単発の1mmから数センチの比較的大きなもの

  局所麻酔後、腫瘍を切除し皮膚縫合をします。はっきりした茎があるものについてはレーザーや電気メスで取り除くこともあります。

  保険診療となり、自己負担額は小さいもので10,000円程度、2-3cmを超えるもので15,000円程度を目安にしてください。

 

(2) 多数の小さなもの アクロコルドン(スキンタグ)

   → くび周りにたくさんできるプツプツを取る を参照 

 

脂漏性角化症あるいは老人性イボ

 皮膚の老化現象で「老人性イボ」とも呼ばれます。日光に当たりやすい場所(顔、腕、肩、手の甲など)にできることが多く、最初は褐色の薄いシミから始まり、次第に拡大し、一部は隆起してきます。この隆起した部分を脂漏性角化症と呼びます。


 脂漏性角化症のほとんどは良性のものですが、中には皮膚癌である可能性もありますので、急に色が濃ゆくなった、大きくなった、出血しやすいなど、何か気になることがあれば、切除した方がいいでしょう。

 

治療と費用

   → 顔のホクロ・老人性イボの除去 を参照