にきびの発生
肌の毛穴には、皮脂腺(ひしせん)という肌の油を出す分泌腺が開いています。皮脂腺から分泌された皮脂が毛穴から肌の表面に出て、これが肌の保湿や異物の侵入をブロックする防御壁の役割をしています。
にきびは、この皮脂腺から出た皮脂が、毛穴から外に出られない状態になることで、起こります。毛穴の中に皮脂が充満すると、その部分に肌色またはやや白色の丘疹ができます。これを「面疱:めんぽう」または「コメド」と呼び、本格的なにきびができる前段階の状態です。
常に皮膚の表面にいる細菌(常在菌といいます)の一つであるアクネ菌は、皮脂を好み、空気(酸素)を嫌うため、皮膚の中にできた面疱は、絶好の増殖場所となります。増殖したアクネ菌は皮膚に炎症を起こし、コメドとその周辺は膨らんで赤くなり(赤にきび)、さらには膿んで膿胞(のうほう)ができます。
さらに炎症が進むと、毛穴の壁も破壊され、大きな膿の袋(膿腫)を作ります。また、強い炎症が長期間に渡って続くと皮膚の凹凸、いわゆるにきび跡(瘢痕)を残すこともあります。
にきびの種類
思春期のにきび
思春期になると、皮脂腺から皮脂を分泌促進する作用のあるホルモン(アンドロゲン)の分泌が増えるため、皮脂分泌が非常に多くなります。この状態で、毛穴の入り口(=皮脂の出口)が狭くなったり、詰まったりすると、皮脂が毛穴に貯まり面疱ができます。このタイプのにきびは、顔、首、胸、背中の上部など、もともと皮脂腺が発達している部位に多く発症します。最初は額、次第に頬にもにきびができるようになります。
大人のにきび
20半ばから30代の最初にかけてできる、「大人にきび」とよばれているものは、思春期のにきびとは異なり、口周りや顎を中心にできることが多くなります。ただし、なぜこの部位にできるのかはまだよくわかっていません。